keitai

携帯電話のアクセサリ商品が人気ですが、男性より女性の方が当然、購入率は高いと思います。アンドロイド携帯よりも、iPhoneのアクセサリの方が圧倒的に売れているのは日本ではアンドロイド携帯よりもiPhoneの方が人気が高いことを意味しているのでしょうか。




・きっかけは単純

iPhoneの発売で2010年ごろから急激にスマートフォンが一般的に普及し始め、ハイテク端末に興味のなかった女性層がiPhoneを手にするようになってきました。

雑誌では有名モデルが自分のお気に入りのケースや特注で作ったケースなどを紹介するという光景をよく目にしていましたが、発売当初はそういったケースはまったく存在なかったのが現状です。

ほとんどはラバーやシンプルなカラーなプラスチックなケースで、あくまでもiPhoneを守るという役割を担うものが主流でしたが、そこで女性が好きそうなケースを大量に販売する企業がINNOVA GLOBALだったのです。

・INNOVA GLOBALという会社

INNOVA GLOBALはもともとiPod nano系のケースを販売する会社だったそうですが、iPhone 3Gの発売を期にiPhoneのケースを専門に扱う会社へと事業を変更したようです。

きっかけは、「自分が持ちたい、かわいいiPhoneケースがなかった」と担当者は話しているようです。当時iPhoneの男女比率は9:1で男性が大半を占めていましたので、ケースも女性向けのケースはほとんど市場に流通していない状態でした。

最初は女性向けという意識はなかったそうですが、自分が欲しいかわいいケースという商品構成にしていたため、女性向けのラインアップが多くなっていったということです。

女性の購入者が増えて、「もっと、かわいいケースが欲しい」「こんなケースが欲しい!」という要望や問い合わせが多くなり、ユーザーの声に応えていった結果が今ということのようです。

・iPhoneケースにファッション性を取り入れた

そんなiPhone市場に対して可能性を感じた担当者は、iPhone 4発売のタイミングで勝負に出て、大幅に売上を増加させました。

その当時の国内メーカーとしては珍しく「iPhoneをオシャレに」というコンセプトに、カラフル、ナチュラル、ロハス、ファッションというキーワードを打ち出し、ユーザーの利用シーンに合わせて提案するスタイルにシフトしたようです。

商品点数も1000種類以上へ拡大し、女性向けiPhoneケースのラインアップは国内最大級へと拡大していきました。

今まではシンプルな形や素材が多かったが、そこにファッションという要素を加え、顧客の心をつかみ、かわいいケースを買うならここ!というイメージを形成することに成功し、楽天市場にも2010年に出店を始め、iPhoneケースランキングの30位中、自社商品20個が常時ランクインする状態が続き、2010年のiPhoneケース販売年間ナンバー1にも輝いたそうです。

・クオリティには妥協はしない

とにかくこだわったのは商品の品質だそうです。取引しているサプライヤーは30社以上で、そのすべての会社や工場までも見学し、商品ができるまでの行程やクオリティーを確認しながら、一つ一つチェックしていたそうです。

「女性のお客様は非常に細かいし、厳しい。商品開発、調達には非常に気を遣った」と、女性が好むケース作りや商品調達に力を注いだそうです。そうした商品は自社販売だけではなく、量販店、ショップなど数千店舗で展開され、「iPhoneはオシャレ」というキーメッセージが一気に世の中に浸透しました。

・過去最低の業績も経験

2011年には女性向けのiPhoneケースが市場に大量に流通し始め、量販店や百貨店の店頭でiPhoneケース専用コーナーなどが大々的に設置され、次々に新規業者が参入してきました。

そのため、大きな流通販路や資本金の大きな会社に太刀打ちするのが非常に困難な状況に陥り、かつ卸事業拡大で売り場面積を確保した一方、機種変更に伴う大量の返品などで業績が過去最低にまで落ち込んだそうです。

このころからマーケットの75%を大手周辺機器メーカー4社が占めるようになり、何千種類ものケースが売り場を埋め尽くしてきましたね。

・過去最低の業績を乗り切った手法は「勝てる分野に集中」

資本力の大きな会社が本気で参入してきたら、その市場で戦っても勝てないと判断していました。まず勝つために選択と集中を実施したそうです。

過去最低にまで落ち込んだ業績を立て直すため、今まで主力だったケース事業を縮小し、勝てる分野と判断した保護フィルムやバッテリー、イヤフォンなどの周辺機器に重点を置くなどの大改革を実施し、ターゲットも徹底的に女性に集中した戦略を打ち立てたようです。

・出展ではなく期間限定イベントを展開

保護フィルムやバッテリーなどの周辺機器は、直接口頭で説明しないと、なかなか女性やライトユーザーなどには伝わりにくかったそうで、「商品の良さや利用方法を伝えるためリアルでの販売を重視。百貨店などでの催事進出を強化しました」と担当者は話をしていました。

ここで重要なのが、出店ではなく期間限定でイベントを開催したではないでしょうか。実際にショップを経営するとなると、出店費用や固定費が発生し、事業にとってリスクが発生するが、物産展のような期間限定での販売であれば、リスクを最小限にしつつ、リアル店舗で自社の製品の告知、販売することができます。

百貨店側も催事でのケース販売はお店全体の集客にもつながり、そういった催事を積極的に誘致しているため、リスクをかけずに運用が可能になります。また、売上げ以外にも自社のブランドイメージの認知向上や、ユーザーの声を直に聞くことで、次回の商品開発や調達に役立てられるメリットがありますね。

・ライフスタイルの提案を徹底

ECサイトの場合だと、商品を説明するだけではなかなか商品の価値を理解してもらいにくく、機能や操作が複雑な周辺機器がなかなか売れない状況になったりもします。そこでバッテリーやイヤフォン、ケーブルをモバイルファッションの一つとしてとらえ、利用シーンに合わせたライフスタイル提案型へと販売方法を変更したそうです。

「普段『持ち歩ける』ことを意味する"in my bag"というキャッチコピーで、Web上でライフスタイルを提案する戦略に大きく方向転換しました」と担当者は話しています。

ECサイトを見ると、まるでアパレルファッションブランドのサイトのようにオシャレに飾られた商品が並んでおり、商品は通常のものと比べると若干高いものも多いですが、素材や品質、機能にこだわっているため、商品の特徴を理解した人が購入していくそうです。催事含めて全体の15%がギフトとして他人にプレゼントするというお客様も増加しているようです。

・トータルファッション提案で創業時と比較して売上が10倍に

単なるファッションだけではなく、ターゲットのライフスタイルに合わせたトータルファッション提案へ戦略をシフトし、高額の商品でも売れるよう接客を重視し、ライフスタイルに合わせ、スポーツ用品店やアパレルなどの新業種への卸事業を強化することで、取り扱い店舗を2500店に拡大したそうです。

創業時と比べて売上が10倍に伸び、2013年度は過去最高益を達成できたというから素晴しいですね。誰よりも早く女性向けケースを世の中に浸透させ、その後、主力だったケース本体を大幅に縮小させ、保護フィルムと周辺機器に商品を選択と集中させた経営手腕は素晴しいと思います。

・身につけるファッションと高機能アクセサリ

「2014年はファッション性とウェアラブル性、機能性を重視します。商品としては高機能だが、それを感じさせないくらいシンプルな設計が今後重要になる」と担当者は話しています。

iPhoneの周辺機器市場は大きく変化していおり、iPhoneを単純に守るケースから、ファッションアイテムとして大きく成長してきました。そして、値段が高くてもこだわった良い物が欲しい、また誕生日やクリスマスプレゼントなどにiPhoneのケースをプレゼントするというところまでに市場が成長してきているようにも感じます。